2026年シーズン
涌井秀章は、若い頃のように150km/h前後の直球だけで押す投手ではありません。
2026年はストレートを軸にしながら、スライダー、シンカー、フォーク、カーブ、チェンジアップ、カットボール、シュートまで使い分けています。
しかも40歳の2026年8月5日には最速150km/hを計測。さらに2023年には自己最速タイとなる152km/hも記録しており、ベテランになっても必要な場面では球速を上げられるのが特徴です。
この記事では、涌井秀章の球種、2026年の投球割合、最速・平均球速、独自のシンカー「こやシン」、そして年齢とともに変化してきた投球フォームまで整理します。
涌井秀章本人の顔・雰囲気はこちら
本人・スタッフが撮影した公式Instagram投稿です。まず「涌井秀章はどんな選手?」が視覚的に分かるようにしています。
涌井秀章の球種は?2026年は8球種を使い分ける
SPAIAの2026年度データでは、涌井投手の球種は8種類に分類されています。
| 球種 | 平均球速 | 投球割合 | 被打率 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ストレート | 144.6km/h | 41.2% | .295 | 投球の軸。40歳でも150km/hを計測 |
| スライダー | 132.0km/h | 20.9% | .296 | 右打者への使用割合が高い |
| シンカー | 137.5km/h | 15.0% | .391 | 左打者への使用割合が高い |
| フォーク | 134.3km/h | 11.2% | .139 | 2026年は被打率が特に低い |
| カーブ | 110.9km/h | 5.2% | .333 | 直球との球速差を作る |
| チェンジアップ | 129.4km/h | 3.9% | .111 | 左打者中心に使用 |
| カットボール | 138.7km/h | 1.6% | .667 | 少量ながら配球に加える |
| シュート | 143.0km/h | 0.9% | .000 | 使用頻度は低い |
データ上は8球種ですが、球種の分類はデータ提供会社や本人の感覚によって多少変わる場合があります。
実際、2015年のインタビューでは、周囲から「スライダー」と見られていた球について、涌井投手自身はカットボールとスライダーの中間のような感覚で投げていたと説明しています。
2026年の投球割合|ストレートだけでなく変化球が約6割
ストレートは41.2%。逆に言えば、約6割は変化球です。
20年以上プロで投げ続けている現在は、1つの決め球だけに頼るのではなく、球速帯の違う球を組み合わせて打者のタイミングをずらしています。
最速は何キロ?自己最速タイは152km/h
涌井秀章の自己最速として報道で確認できるのは152km/hです。
2023年、中日移籍1年目の37歳シーズンに自己最速タイの152km/hを記録しています。
2009年には自己最速タイ151km/hを記録し、「さらに速くしたい」と話していました。その後、30代後半になった2023年に152km/hを計測しています。
40歳の2026年でも最速150km/h
2026年8月5日のヤクルト戦では、40歳で最速150km/hを計測しました。
この日は直球を軸に、スライダー、フォーク、カーブを混ぜ、4回まで完全投球。6回1失点で勝利投手になっています。
さらに6月7日の西武戦でも、5回のピンチでこの日最速149km/hを投げています。
40歳・2026年の涌井秀章の投球
2026年7月18日の巨人戦。7回途中1失点で投げる現在のフォームとストレートの力感が分かります。
なぜ40歳でも球速が出る?「必要な場面で上げる」投球
涌井投手は常に150km/hを投げ続けるタイプではありません。
2026年のストレート平均は144.6km/h。それでも、ここぞという場面では149〜150km/hまで上げています。
2023年の西武戦でも、103球目にその日の最速150km/hを記録。終盤まで球速を保つスタミナと、勝負所で出力を上げる能力が特徴です。
平均球速より「いつ速い球を投げるか」
2026年は平均144.6km/h。しかし勝負所では150km/hまで上げる。すべてを全力で投げず、必要な場面で出力を上げるのがベテランらしい投球です。
楽天時代に武器になった「こやシン」とは?
涌井秀章の球種を語るうえで外せないのが、楽天移籍後に武器となったシンカーです。
2020年の楽天春季キャンプで、小山伸一郎投手コーチから教わったシンカーを、自分なりにアレンジしました。
この球は「こやシン」と呼ばれ、2020年の復活を支えた球種の1つです。
SPAIAの分析では、このシンカーは従来より平均球速が約2km/h上がり、2020年は全投球の約16%を占めるまで増加しました。
ストレートと近い速度帯から沈むため、打者にとって見分けにくく、直球との組み合わせにも効果がありました。
スライダーとカットボールの境界が曖昧なのも涌井らしい
球種表だけを見ると「スライダー20.9%」「カットボール1.6%」と明確に分かれています。
しかし本人の感覚では、必ずしもきれいに分類できるわけではありません。
2015年には、周囲からスライダーと見られていた球について、本人はカットボールの意識で投げており、カットとスライダーの中間のような球だと説明しています。
この「微妙に違う変化」を作れることが、長年打者に的を絞らせない理由の1つです。
カーブは約111km/h|150km/hとの差は約40km/h
2026年のカーブ平均は110.9km/hです。
最速150km/hの直球と比べると、最大で約40km/hの速度差があります。
必要な場面では150km/hまで上げる。
直球に近い速度帯から変化。
大きな球速差で打者のタイミングを外す。
球速の違う球を同じ投球フォームから投げ分けられることで、打者はストレートだけにタイミングを合わせにくくなります。
投球フォームは若い頃から変わっている
涌井投手本人は、投球フォームが年々変化していることを認めています。
2019年のインタビューでは、若い頃と比べて肘の高さとボールを離す位置が変わったと説明。若い頃のフォームに近づけたい気持ちはありつつ、その時点の体に合ったベストを探していると話しています。
フォームの最大の特徴は「再現性」
現在の涌井投手を支えている大きなポイントが、フォームの再現性です。
2026年に涌井投手との自主トレへ参加した巨人・横川凱は、キャッチボールから一球一球のバランスがほとんど崩れず、同じフォームを繰り返していることに驚いたと話しています。
一球ごとのフォームとバランスが一定
若い頃の球威だけに頼らず、毎球同じバランスで投げる再現性が制球力と多彩な球種を支えています。
涌井投手自身も野球教室で、投げ方を一律に決めるのではなく、自分が一番投げやすい腕の位置を見つけることの重要性を子どもたちへ伝えています。
若い頃と現在で投球スタイルはどう変わった?
| 時期 | 投球スタイル | 特徴 |
|---|---|---|
| 西武・若手時代 | 直球主体の本格派 | 150km/h前後の直球、200回超を投げるスタミナ |
| ロッテ時代 | 直球+カット系+カーブ | 球種を増やし、打たせて取る幅も拡大 |
| 楽天時代 | シンカーを追加 | 「こやシン」が新たな武器となり2020年最多勝 |
| 中日時代 | 多球種+再現性 | 8球種を使い分け、40歳でも150km/h |
若い頃の球威が完全になくなったわけではありません。むしろ必要な場面では150km/hまで出しながら、そこに球種の多さと制球、緩急が加わっています。
涌井秀章の球種・球速をまとめると
涌井秀章のすごさは、「40歳でも150km/h」という一点だけではありません。
150km/hの直球、110km/h台のカーブ、130km/h台のシンカー・フォーク、スライダーやチェンジアップまでを組み合わせ、それを毎回できるだけ同じフォームから投げる。
若い頃の本格派右腕から、20年以上かけて「球速・球種・制球・再現性」を組み合わせる投手へ変化してきたことが、長い現役生活を支えています。
よくある質問
涌井秀章の球種は何種類?
SPAIAの2026年度データでは、ストレート、スライダー、シンカー、フォーク、カーブ、チェンジアップ、カットボール、シュートの8球種に分類されています。
涌井秀章の最速は何キロ?
報道で確認できる自己最速は152km/hです。2023年に中日で自己最速タイの152km/hを記録しました。
2026年は何キロ出ている?
40歳の2026年8月5日のヤクルト戦で最速150km/hを計測しています。
一番多く投げる変化球は?
2026年はスライダーが20.9%で変化球では最多です。次いでシンカー15.0%、フォーク11.2%となっています。
「こやシン」とは何?
楽天時代の2020年に小山伸一郎投手コーチから学んだシンカーを、涌井投手が自分なりにアレンジした球です。2020年の最多勝を支えた球種の1つです。
投球フォームは昔から同じ?
いいえ。本人は若い頃と比べて肘の高さやリリース位置が変わったと話しています。その時々の体に合うベストなフォームを探しながら投げています。
