4球団を渡り歩く
涌井秀章は、プロ入りから現在まで西武→ロッテ→楽天→中日の4球団でプレーしています。
ただし、4回とも「トレード」だったわけではありません。最初の西武からロッテは国内FA移籍、ロッテから楽天は金銭トレード、楽天から中日は阿部寿樹との1対1の交換トレードです。
移籍のたびに理由も違います。先発へのこだわり、球団の若手台頭、先発補強、右打ち内野手の補強など、チーム事情と本人の役割が噛み合って移籍が成立しています。
この記事では、各移籍がなぜ起きたのか、誰とのトレードだったのか、移籍後にどんな成績を残したのかまで時系列で整理します。
涌井秀章の移籍歴を一覧で確認
| 時期 | 移籍 | 形式 | 主な理由・背景 |
|---|---|---|---|
| 2004年 | 横浜高→西武 | ドラフト1巡目 | 横浜高校から西武へ入団 |
| 2013年オフ | 西武→ロッテ | 国内FA | 先発起用を重視、千葉出身・伊東勤監督との縁 |
| 2019年オフ | ロッテ→楽天 | 金銭トレード | 先発継続を希望、ロッテで若手先発が台頭、楽天は長いイニングを投げられる投手を補強 |
| 2022年オフ | 楽天→中日 | 交換トレード | 中日が涌井を希望、楽天は右打ち内野手の阿部寿樹を獲得 |
西武がドラフト1巡目指名横浜高校からプロ入り。
国内FA権を行使先発起用を重視し、新天地を検討。
ロッテ移籍NPB公示は12月18日付。
楽天へ金銭トレードロッテから楽天へ。背番号16。
中日へ交換トレード阿部寿樹との1対1トレード。
中日で現役継続背番号20。2026年も一軍で勝利。
西武→ロッテはトレードではなく国内FA移籍
まず大事なのが、西武からロッテへの移籍はトレードではないという点です。
2013年、涌井投手は国内FA権を取得。11月にFA権を行使し、12月18日付で千葉ロッテマリーンズへの移籍がNPBから公示されました。
ロッテ移籍の決め手は「先発として投げたい」という希望
当時、涌井投手は西武で2012年に30セーブ、2013年も7セーブを記録し、先発と救援を行き来していました。
一方で本人は、FA行使時に「先発として評価してくれるところ」を重視していたと報じられています。
ロッテ側は先発投手不足が課題で、球団幹部も涌井投手について「先発しか考えていない」と明言。ここが両者の希望と一致しました。
千葉県出身だったこと、西武時代に指導を受けた伊東勤監督がロッテを率いていたことも、移籍先として自然な要素でした。
ロッテ移籍は成功?2015年に15勝で最多勝
ロッテ移籍1年目の2014年は8勝12敗、防御率4.21。
しかし2015年には28試合、15勝9敗、防御率3.39。西武時代の2009年以来6年ぶりとなる最多勝を獲得しました。
防御率4.21
188回2/3
GG賞
先発継続
2015年の最終登板では137球を投げて15勝目を挙げ、最多勝を確定させました。本人も「先発の栄冠」と話しており、先発へのこだわりを持ってFA移籍した結果がタイトルにつながったシーズンです。
ロッテ→楽天は2019年オフの金銭トレード
2019年12月19日、ロッテと楽天は涌井秀章の金銭トレードで合意したと発表しました。
NPBのトレード公示では12月23日付で、千葉ロッテから東北楽天への移籍が記録されています。
ロッテ公式
2019年12月楽天への金銭トレードを発表涌井本人の移籍コメントも掲載
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楽天公式
獲得発表金銭トレードで涌井秀章を獲得背番号16で加入
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NPB公式
トレード公示ロッテ→楽天を正式記録2019年12月23日付
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なぜロッテから楽天へ?「先発へのこだわり」と若手台頭
このトレードは、単純に「成績が悪かったから放出」という話ではありません。
ロッテでは種市篤暉、小島和哉、岩下大輝、二木康太ら若い先発投手が台頭。球団本部長は、涌井投手が「先発にこだわる」意向を持っていたことを踏まえ、本人の気持ちも考えてトレードを決めたと説明しています。
一方の楽天は、美馬学のFA移籍と並行して、長いイニングを投げられる実績ある先発投手を探していました。
楽天移籍1年目の2020年に11勝、3球団で最多勝
楽天への移籍はすぐ結果につながりました。
2020年は20試合に登板し、11勝4敗、防御率3.60。パ・リーグ最多勝を獲得しました。
西武、ロッテ、楽天の3球団で最多勝はNPB史上初。NPB公式コラムでも「前人未到」と紹介されています。
楽天→中日は阿部寿樹との1対1交換トレード
2022年11月15日、涌井秀章と中日ドラゴンズの阿部寿樹による1対1の交換トレードが発表されました。
ここはロッテ→楽天の金銭トレードとは違い、選手同士の交換です。
交換相手・阿部寿樹はどんな選手?
2022年11月22日の楽天入団会見。涌井投手との交換で楽天へ移籍した阿部寿樹本人の顔や雰囲気が分かります。
トレードは中日側からの打診だった
楽天の石井一久GM兼監督は、成立後に「中日さんからお話いただいて」と経緯を説明しています。
つまり、中日側が涌井投手を希望し、その交換相手として阿部選手の名前が出た形です。
中日は先発投手陣の厚みを増やしたい。一方、楽天は右打ちの内野手が手薄で、複数ポジションを守れて二塁打の多い阿部選手を評価しました。
通算154勝の実績と経験を持つ涌井を獲得。
複数ポジションを守れる阿部の打撃とユーティリティー性を評価。
中日入団会見|背番号20「一からポジションを勝ち取る」
2022年11月25日、中日で入団会見が行われました。
背番号は20。涌井投手は4球団目、そしてプロ18年目で初めてセ・リーグの球団へ移ることになりました。
会見では、4球団目でも「一から自分のポジションを勝ち取っていかないといけない」と話しています。
涌井秀章の中日入団会見
2022年11月25日。ドラゴンズのユニホーム姿と、トレード後の本人コメントを公式動画で確認できます。
中日移籍後は2023年から4年で16勝
中日移籍後も先発投手として起用されています。
111回
防御率3.07
63回1/3
防御率3.92
2023〜2026年の4年間で16勝。2026年には40歳で通算170勝へ到達しています。
なぜ涌井秀章は何度も移籍している?
4球団を渡り歩いているため、「戦力外に近い形で移籍してきたのでは?」と感じる人もいるかもしれません。
ただ、実際の経緯を見ると少し違います。
西武からロッテは本人がFA権を行使して選んだ移籍です。
ロッテから楽天は、ロッテで若手先発が増える一方、涌井投手は先発にこだわりを持っていました。楽天は長いイニングを投げられる先発を必要としており、双方の事情が一致しました。
楽天から中日は、中日側からの打診。中日は先発投手を、楽天は右打ち内野手を求めており、涌井と阿部という実績ある主力同士の交換になりました。
移籍するたびに結果を残しているのも特徴
涌井秀章の移籍歴で面白いのは、移籍後に再び大きな結果を残していることです。
FA移籍2年目に先発投手としてタイトルへ返り咲き。
金銭トレード移籍1年目でリーグ最多勝。
40歳の2026年も先発で4勝、通算170勝へ。
「環境を変える=キャリア終盤」という単純な流れではなく、ロッテと楽天では移籍後に最多勝を獲得しています。
よくある質問
涌井秀章は何球団に所属した?
西武、ロッテ、楽天、中日の4球団です。2026年現在は中日ドラゴンズに所属しています。
西武からロッテはトレード?
いいえ。2013年オフに国内FA権を行使してロッテへ移籍しました。
ロッテから楽天は誰とのトレード?
選手同士の交換ではなく金銭トレードです。2019年12月に成立しました。
楽天から中日は誰とのトレード?
中日の阿部寿樹との1対1の交換トレードです。2022年11月15日に発表されました。
楽天へのトレード理由は?
ロッテで若手先発が台頭する一方、涌井投手は先発起用を希望していました。楽天は長いイニングを投げられる実績ある先発を求めており、両球団の事情が一致しました。
中日へのトレード理由は?
中日側から涌井投手の獲得を打診し、楽天側が右打ちで複数ポジションを守れる阿部寿樹を評価したことで、1対1の交換トレードが成立しました。
